魅力的口説き

生物種内、あるいは生物種間の社会的相互作用が亜化学物質によるコミュニケーシヨンに依存していることはよく知られている。 しかし、その基盤となる暗号は、フェロモンの複雑な配合中に隠されている。 黄色ショウジョウバエのクチクラにあって、 炭化水素をフェロモンを産生する細胞(エノサイト)を遺伝的操作により除去し、 化学的コミュニケーシヨンを調べるための「空白状態」を作り出した。 意外にも、エノサイトのないショウジョウバエは雄であれ雌であれ、 雄のショウジョウバエを性的に非常に強く惹きつけ、 別種のハエの雄さえ強く誘引した。 個々の合成化学物質を使ってショウジョウバエに「匂いをつける」と、 性別や種別に基づく正常な境界線が回復した。   (ネイチャー)

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走行止めず

土を盛って造った線路や道路の耐震性を高める工法を開発。 地中を掘り進みながらコンクリート材を注入できる機械を使う。 コンクリ材が土と混ざりながら固まる。 1本の杭は直径40cmで3.3メートルに1本の間隔で盛り土に打ち込むが、 杭と土の間に摩擦力が生じて地震があっても盛り度は崩れない。 模型の実験では、阪神大震災級の地震でも壊れなかった。 工費は長さ1キロメートルの鉄道で600本打つと、 5000万―6000万程度。   (鉄道総合技術研究所、日経)

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NOx浄化触媒

酸素非存在下で窒素酸化物(NOx)をほぼ100%浄化できる触媒を開発。 イットリウムを主成分とした触媒で、 この他にテルビウムとバリウム、酸素から構成される。 実験では、酸素非存在下の場合は温度条件が約900℃、 10%酸素存在下では同約800℃で浄化率を確認。 結晶構造中の隙間に一酸化窒素の酸素部分がとらえられることで分解が進行する。 ほぼ完全浄化が実現できたのは、 構成元素とその組成を工夫したおかげで、 格子中の隙間の大きさが分解に適したサイズになったため。   (阪大、日刊工業)

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結晶にうまくつながる準結晶

準結晶は、周期構造で禁じられている5回回転のような「不可解な」充填対称性と 長距離秩序とを兼ね備えた特異な物質である。 これまで準結晶は 金属間化合物、ブロック共重合体、レーザー定在派パターン作用下にあるコロイド粒子など、特定の系でしか発見されたことがなかった。 今回、コロイドナノ粒子の大きさを慎重に調整し、 コロイドナノ粒子を自己集合させて非周期的な準結晶格子を作製した。 そして、材料の組み合わせが異なる数種ナノ粒子で準結晶を得ており、 準結晶形成に重要なのは球充填と単純な粒子間ポテンシアルだけであり、 成分間の特殊な相互作用は重要ではないという事実を指摘。 また、これらの準結晶は、古典的なアルキメデス・タイリング・パターンに似た構造をとる薄い「濡れ」層を通して通常の結晶とつなげることができる。   (ネイチャー)

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読み書きを司る脳領域

読み書きを学習する際に脳に起こる変化を調べることはきわめて難しい。 それは、読み書き、つまり識字の能力はふつう子供時代に獲得されるが、 この時期には他の多くの発達変化も起きているから。 しかし、南米コロンビアで子供時代に読字教育を受けなかった数人を含む 元ゲリラのグループが、この国の一般社会に復帰したことで、 識字の過程を脳画像化技術を用いて調べる機会が得られた。 このような「遅れて読み書きを教わった人たち」(遅延識字者)と、 同国人の読み書きができないままの人たち(非識字者)の脳構築の比較から、 識字能力の獲得と関係する可能性のある幾つかの脳部域が明らかになった。 頭頂葉内の左右の各回を連結する経路が、 識字の獲得年齢や能力とは関係なく、読字に重要らしい。   (ネイチャー)

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神経

失われた眠り、取り戻される記憶 睡眠障害が妨げられると認知機能に影響が及び、 記憶や学習などの障害がおこることは良く知られている。 しかし、睡眠が脳の機能に影響を及ぼす機構についてはわかっていない。 今回新たな実験で、 サイクリックAMP経路、 とくに海馬のcAMP依存性プロテインキナーゼAに基づく可塑性の低下が、 睡眠が機能に及ぼす影響の標的であることが明らかになった。 ホスホジエステラーゼ阻害剤によってcAMPシグナル伝達を元に戻すと、 記憶障害も回復する。 このことは、cAMP/PKAシグナル伝達の増強因子が、 睡眠が認知機能に及ぼす影響を抑止する治療法となる可能性を示している。   (ネイチャー)

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インフルエンザ診断

迅速診断キットの早期普及が必要 今の時期、 世間で言う季節性インフルエンザ、 普通の感冒だが、熱が高いもの、 新型インフルエンザ、 の3タイプの「かぜ患者」がいるようだ。 現在の迅速キットでは A型とB型の分別はできるが、 A香港型とAソ連型は分別不可。 この機会に、 A型のH1とH3, 今回の新型H1pdmを分別できるような迅速キットの開発が望まれる。 さらに、タミフルが効くか否かの簡易診断、 1時間くらいで調べられる装置ができれば幸いとの関係者の見方。

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遺伝

複雑な疾患の遺伝学 全ゲノム関連解析(GWAS)により、 ヒトの複雑な疾患に関する何百もの遺伝的変異が同定されてきたが、 その多くは発症リスクをわずかにしか増加させない。 集団中の遺伝的変異が次世代に伝達される割合を遺伝率といい、 そのかなりの部分が検出されていない。 この「失われた遺伝率」を説明するものとして、 作用の小さい多数の未発見変異、 現在の遺伝子型解析技術では検出されない希少な構造的またはエピジェネテイックな変異、 検出が困難な遺伝子間及び遺伝子―環境間の相互作用などが考えられている。 「レビュー」では、これらをはじめとする考えられる説明の可否を最もよく判定できそうな研究戦略を検証している。 また「ニューズ・フィーチャー」ではGWASの結果から生物学的意味を見出すことの困難さを示す3つの「ヒット」紹介。    (ネイチャー)

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排ガス利用

排ガスを利用してミドリムシ培養 動物と植物の中間的性質をもつ単細胞生物ミドリムシを多量の二酸化炭素を含む火力発電所の排ガスを使って培養することに成功。 ミドリムシは体長0.1mmで水田などに住む。 光合成により二酸化炭素を吸収する性質を持ち、鞭毛で動物のように動く。 光合成能力が高いのが特徴で、熱帯雨林の数十倍に達する。 実験では、火力発電所の煙突から出る直前の排ガスをミドリムシの培養槽に送りこんだ。 この排ガスは二酸化炭素濃度が大気の400倍近い約15%。 ガスを入れた培養液は酸性になり、 大半の生物は生きられないが、 ミドリムシは順調に成長。 増殖速度は空気を通した場合の最大20倍に達した。 (ユーグレナ、毎日)

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太陽光使う新工法

太陽光を取り込んで証明などにかかる電力使用料を減らす高層ビルの新工法を開発。 屋上に太陽を自動追尾する鏡を設置。 鏡には反射率90%と通常のガラスより高いアルミ製を採用。 吹き抜けの壁面にも太陽光を反射させる特殊な鏡をはりつけ、 低層階のオフィス空間を効果的に明るくする。 照度に応じて電力を調整するセンサーなども組み合わせることによって、 ビル全体の使用電力を抑え、稼働時の二酸化炭素削減につなげる。     (大成建設、日経)

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JSTのERATO型

新規6領域と研究総括決定。 ERATOは卓越したリーダーのもと、多様な分野の若手研究者が結集し、 独創性の高い研究を進める時限プロジェクト。 新たにスタートする研究領域は、 グライコトリロジー、 オステイオネットワーク、 動的微小反応場、 離散構造処理系、 ナノクラスター集積制御、 ガスバイオロジー。

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1週間でヒト抗体作製

ヒト抗体を1週間で作り出すことに成功。 B型肝炎や季節性インフルエンザなどのウイルスを排除するヒト抗体を、 世界最速の約1週間で作り出すことに成功。 直径0.01ミリの穴を23万個開けた1cm四方のシリコン製チップを開発。 ヒトの血中から取り出した様々な細胞を一度に各穴へ入れ、 抗体を作りたいウイルスと反応させることで、 簡単に特定細胞を発見できるようにした。 新型インフルエンザやエイズ、炭疽菌などの抗体作りにも応用する方針。   (富山大、日経)

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米国推進「グリーン・ニューデイール」

米国で進められているグリーン・ニューデイール政策。 21世紀の新アポロ計画とも呼ばれ、 ドイツや英国、中国、韓国など世界各地で 環境・エネルギー分野へ重点投資する働きがある。 シンポジウムでは、この大きな流れの中で、 日本の産業界、大学、国、市民がどのように対応すべきか、 日本の進路を探っていく。 10月29日にJSTが東京でシンポジウムを開催する。

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寿命延長は人間でも?

ラパマイシンの投与でマウスの寿命が延長。 酵母、線虫、ショウジョウバエを始めとする無脊椎動物では、 TORシグナル伝達経路を遺伝的または薬理的に阻害すると寿命が延長する。 哺乳類でもmTORシグナル伝達経路の阻害により寿命が延長するかどうかはわかっていない。 マウスで実験したところ、 寿命の中央値および最大値が延長した。 死亡率が90%となる日齢を基にして、 ラパマイシンは雌で14%、雄で9%寿命を延長させた。 ラパマイシンは、 癌による死亡を延長させる、 老化機構を遅らせることによって寿命を延長させると考えられる。 加齢関連疾患に治療および予防を目的とした、 mTORを標的とする治療介入を開発する上で、貴重なものになると考えらる。   (米ジャクソン研究所、ネイチャー)

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跳ね返る液滴

電界中の液滴の運動は、嵐雲形成、インクジェット印刷、ラボ・オン・チェア操作など多様な過程に関わっている。 実用上重要な問題は、隣接する液滴が合体しやすいことであり、 これは液滴の符号が逆の電荷を持ち、 互いに引き合う場合に起こりやすいと通常考えられている。 今回、逆の電荷を持つ液滴を、強さが臨界値を超える電界によってお互い近づくように動かすと、 それらの液滴は単に「跳ね返し合う」だけであることを示した。 この観察結果は、電気的に誘発された液滴運動が関与する全ての過程に対する理解を再評価する必要を示している。   (ネイチャー)

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森林のエアロゾルは?

これまでのエアロゾルの寒冷化説は反対? 地球の植生は、大気中に大量の揮発性有機化合物(VOC)を放出し、 その主なものはイソプレンとその誘導体であるモノテルペンやセスキテルペンなどで、 その一部は松の木からの芳香族化合物で良く知られている。 これらの化合物は有機エアロゾルの形成に関わっていると考えられていて、 放射強制力に対する効果を介して気候を寒冷化させる働きを持つことが示唆されている。 今回、植物育成室を使った、森林の条件をシミュレートした実験によって、 イソプレンはヒドロキシラジカルとの反応性が高いため、 新たな粒子形成を大きく阻害する可能性があることが示された。 テルペンの放出量は、秋や春よりもエアロゾルの核形成が少ない夏に最高に達するため、 この意外な結果から、観測される核形成頻度の季節変化を説明できるかもしれない。 この実験結果が大気全体を反映しているならば、 気候変化や土地利用の変化に応答して起こるVOCのイソプレン含有量増加に応答して起こるVOCのイソプレン含有量増加によって、 エアロゾル粒子が新たに形成される可能性が低下することが考えられ、 これまでに認識されていなかった気候温暖化の要因が加わることになる。    (ネイチャー)

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大腸がん早期発見

大腸がんの早期診断につながる技術開発。 大腸がん患者130人を血液検査したところ、 早期がんの33%で皮膚で多く作られるタンパク質「ダーモカイン」が見つかった。 大腸がん検査で広く使われる 「CEA」というマーカーは早期がんの9%、 2年前に実用化した「p53自己抗体」も24%にとどまっていた。 ダームカインが見つかる患者はp53で発見される患者とほとんど重複しないため、 この2つの併用で早期がんの55%を発見できる。 さらにCEAも加えて3種類で調べれば、見つかる確立は61%になった。 腫瘍マーカーとして5年後にも実用化する。     (京都府立医科大、東京医科歯科大、エーザイ、日経)

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酸素の増減の歴史

地球大気の酸素化は2つの大きな段階を経てきたと考えられているが、この過程の詳細はよくわかっていない。 縞状鉄鉱層(大量の酸素を鉄酸化物として含んでいる堆積岩)から得られたクロムの安定同位体を用いて、 先カンブリア時代の海洋におけるCrの存在を追跡し、 地球の気圏―水圏系における酸化物の時間分解された描像を得た。 24億5千万年前から22億年前の最初の大規模な酸素の増加(大酸化事変)より前に 大気と海洋表層の酸素化が一時的に高まったことを彼等のデータは示している。 18億8千万年の年代を持つ古い縞状鉄鋼層にはCrの同位体の分化が見られず、 これは大気酸素濃度が低下したことを示している。 大酸化事変の後、大気中の酸素は段階的増加の一途をたどったわけではないようだと考えている。    (ネイチャー)

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超高速PCR測定システム

新型インフルエンザ30分内に検査。 ヒト検体から迅速かつ高感度で新型インフルエンザの遺伝子を検出できる「超高速PCR測定システム」開発。 患者の鼻または咽頭粘膜をぬぐった液を採取し、 30分以内で新型インフルエンザの遺伝子を検出できる。 病院など臨床現場での迅速診断を目指し開発。 約30cm角のPCR測定装置本体とノート型パソコンで構成。 専用試薬で前処理した検体を、 測定装置内部にあるデイスク型基盤上のサンプル測定部に載せ、 3つの温度設定の異なる熱源上で同デイスクを回転させてPCRを行い、 LED検出器で蛍光検出する。 RNAからDNAへの変換とPCRを同時に行うことで、 検出に要する時間を大幅に短縮した。 従来の装置では遺伝子増幅に2時間以上かかり、 前処理を含めると検出まで4-5時間必要だった。 同システムでは、 季節性インフルエンザと新型インフルエンザの識別、 タミフル耐性遺伝子や弱毒型・強毒型遺伝子の検出など、 1回の操作で様々な属性が同時に検査できるという。 今後は2ヶ月程度かけて、 東京都健康安全研究センターからウイルスの提供を受け、 感度や特異性の検証を実施。 臨床試験を経て製造販売承認申請をする予定。 (東京都臨床医学総合研究所、シンセラ・テクノロジーズ、トラスト)

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ナノテクノロジー

DNAでナノチューブを選別する。 カーボンナノチューブの製造法では、 金属ナノチューブと半導体ナノチューブの混合物ができる上に、 様々な直径やキラリテイのナノチューブが混ざってしまう。 例えば、エレクトロニクス分野においてナノチューブを実用化するには、 単一腫に精製可能で、それにより特性を正しく決定できることが重要である。 こうした混合物の分離は非常に困難であるが、 DNAを使って期待のできる成果を得た。 1個のプリン塩基とそれに続く1個以上のピリミジン塩基という配列が繰り返される、 特別に作製したDNA塩基配列によって、 混合物中のどの腫のナノチューブも精製できることを発見。 これらのDNA塩基配列がナノチューブの周りに巻きつくと、 とくに安定な3次元バレル構造を形成することも理論的に示している。 優れた選択性はここから生じるのかもしれないとのこと。    (デユポン ウイルミントン研究所、ペンシルバニア州リーハイ大、ネイチャー)

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流暢に音声合成

人が話しているかのように流暢な語り口を再現できる音声合成ソフト開発。 国際的な音声評価法でプロのナレーシヨンの8割にあたる品質にまで近づけた。 音声合成特有の棒読み感を解消する発話モデルと、 使用頻度の高い単語や文例を入れた大規模データベースを組み込んだ。 文章を書き込んでソフトを動かすと、 0.5秒後に読み上げが始まる。 制御モデルは、 約1万の語の単語の発声データからリズムを解析して作った。 文字をつなげるようにリズムをつけて発音するのが特徴。 従来は1文字ずつ読み上げるように制御されていた。 データベースには従来の10倍の数万フレーズを収録、 音声の波形の違いに着目し登録。 「橋」と「箸」のように同じ読み方の言語は、 文脈から判断して合成音を作る。    (富士通研究所、日経)

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ロボットさらに進化

人間が感情想起をしただけで動くロボット開発。 被験者の頭部に16個の電極を取り付け、 「怒り」や「喜び」といった感情を想起してもらい脳波を計測。 その時の脳波の変化を「フラクタル次元解析」と呼ばれる手法によって数値化し、 ロボットに制御信号を送信する。 そうすると、例えば被験者が「喜び」を想起した場合、 ロボットが両手をあげて喜ぶ動作をする。 想起によってロボットに4つ程度の行動をさせる場合、 その認識率は95%。 ロボットを動かす前の準備として、 被験者が感情を想起したしたときの脳波のデータを採取しなければならないが、 1つの想起につき30秒ほどで済むという。   (長岡技術大、日刊工業)

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カロリー制限で老化関連死低下

霊長類もカロリー制限で老化関連死が低下する? アカゲザルでカロリー制限を行ったところ、疾病の発症や死亡が遅れた。 栄養不良を起こさないカロリー制限(CR)は様々な生物で老化を遅らせ、寿命を延ばす。 しかし、霊長類における病気に対する抵抗性と死亡率への影響は明確にされていない。 米国の科学者は老化研究におけるこの重大なギャップを埋める目的で行っている。 成熟アカゲザルを用いた20年間の長期CR研究の知見を報告。 中程度のCRは老化関連死の発生率を低下させた。 報告の時点で、生残率はCRザルの80%に比べ、 対照群の飽食ザルでは60%であった。 さらに、CRは老化関連疾病の発症を遅らせた。 具体的には、CRは糖尿病、癌、心臓血管疾患、脳萎縮の発生率を減少させた。 これらのデータは、霊長類でCRが老化を遅らせることを証明している。   (サイエンス、ウイスコンシン大)

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新しい化学レーザー

化学レーザーのひとつ「アミン系全気相型化学ヨウ素レーザー」の出力に世界で初めて成功。 トリクロロアミンを化学反応に用いる化学レーザーで、 現行の化学レーザーより実用性が高い。 平均出力は20mWだが、 原理的にはメガワット級の出力が可能。 化学レーザーは化学反応で生じた気体を用いて発振するレーザーで、 通常のレーザーより高い出力が可能。 化学反応とその生成物の分布をモデル化、 コンピューターシミュレーションを開発し、 レーザー発振が可能な条件を探索。 トリクロロアミン、水素原子、ヨウ化水素の3化合物でレーザー発振可能な条件を明らかにした。 次いで実験装置を作製、 今年4月の実験で平均20mWの出力に成功。 トリクロロアミンは冷凍貯蔵でき、 同レーザーはすぐに出力できるという利点があり、 高出力化できれば実用性は高い。 同レーザーが高出力化できれば、 スペースデブリ除去に利用できる可能性がある。   (東海大学、応用物理学会)

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空気

一日あたり数千個の菌類胞子を吸い込んでも免疫反応が起こらない。 我々は毎日多種多様な菌類から生じる何千もの微小な奉仕を吸い込んでいる。 これらの胞子にはアレルゲンが詰め込まれているが、 これらの胞子によって我々の自然免疫細胞が継続的に活性化されたり、 炎症反応が起こったりすることはない。 免疫学的、生化学的および遺伝学的な一連の実験により、その理由が明らかになった。 分生子の表面を覆っている、小型の棹タンパク質からなる疎水性の層によって、 これら胞子の免疫認識が妨げられている。 この層が取り除かれると、胞子は免疫系を活性化する。 このような防御層を備えた病原性胞子は、 発芽に適した条件になるまで宿主防御を回避して 休眠状態を維持するのかもしれない。 治療上、 このロッドレッドタンパク質の強固な性質は、 体内の特定の場所を標的とする分子を詰め込んだり、 徐放剤を最適化したナノ粒子の作製に利用できたりする可能性がある。   (ネイチャー)

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抱き上げ代行ロボット

介護の負担を軽減するため、抱き上げロボット誕生。 RIBAは人間タイプの両腕で、人をベッドや車椅子から抱き上げ、 移動し、下ろす一連の移乗作業ができる、 世界に先駆けて開発された介護の負担を軽減するロボット。 ベッドと車椅子間の移乗は、 肉体的に重労働で、一日に何回も必要な作業であり、 多くの介護者が腰痛に悩まされている。 このロボットは移乗の負担を軽減するロボットとして貢献が期待される。 このロボットを発展させた介護支援ロボットの研究も進められている。 今後、数年以内に介護施設でのモニター使用を行い、 メンテナンス性や生産性を高め、 問題点を整理した後、商品化を目指す。    (理化学研究所、東海ゴム工業) このロボット、高さ140cm、重さ約180キログラム。 全身発泡ウレタンなどの柔軟素材で覆われている。

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水洗ノズルに注意

トイレ温水に雑菌が繁殖していることが明らかになった。 温水洗浄便座の温水タンク中では細菌が繁殖しやすいことが明らかに。 神奈川県の民家80箇所、 公共施設28箇所で温水洗浄便座の局部洗浄を水を採取。 民家では水道の水質基準の31倍の細菌を検出、 公共施設では10倍の一般細菌を検出した。 民家では4箇所から大腸群が見つかり、 うち1箇所では緑膿菌も確認された。 温水タンクには清浄な水道水が取り込まれ、 密閉型で外気に触れないことから、 細菌は繁殖されないとされてきた。 だが、実際には水道水を約30-40%に温めるため塩素が蒸発し、 ノズルの隙間などから侵入した細菌は温かいことから増えやすいと推測された。    (東海大、読売)

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遺伝子SNORKEL

遺伝子導入で洪水の多い地域のコメ生産量を増加可能かも。 アジアでは、雨期の洪水が広範囲にわたり稲作を壊滅させることがある。 一部のイネ系統は茎を急速に伸張する能力を発達させることにより、 このような環境ストレスに適応してきた。 この種のイネは通常、高さ1メートルくらいまで成長するが、 洪水が起こると茎は短時間で大幅に節間を伸張させ、 水位によっては数メートルにまで成長することがある。 浮イネの節間伸張を引き起こす遺伝子SNORKEL1とSNORKEL2を同定した。 この2つの遺伝子は、 気体の植物ホルモンであるエチレンのシグナル伝達を調節する転写因子をコードしている。 これらの遺伝子を高収量栽培品種に導入することで、 洪水の多い地域のコメ生産量を増加することができるかも。   (ネイチャー)

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損傷脊髄

損傷神経脊髄を青色光で回復。 損傷したラットの脊髄神経細胞に青い光を当てると、 細胞の成長を促進させるタンパク質が増加して損傷部分が回復することがわかった。 ラット10匹の脊髄を傷つけ、 うち5匹に波長470ナノメートルの青い光を毎日20分間、 3週間にわたって当て続けたところ、 歩行可能なレベルまで回復。 一方、光を当てなかった5匹は麻痺したままだった。 光を当てたラットの神経細胞はサイズが大きくなっており、 細胞を分析した結果、 成長を促すたんぱく質「インスルン様成長因子Ⅰ(IGFⅠ)が約1.7倍増えていることがわかった。    (名古屋市大、日経)

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認知症予防に道?

認知症の予防や治療に有効な可能性があることを細胞レベルで発見。 柑橘類の皮に含まれる成分「ノビレチン」とローヤルゼリーを組み合わせると、 認知症の予防や治癒に有効な可能性があることを細胞レベルで見出した。 同時に投与することで 情報伝達系で重要な働きをするタンパク質が活性化することを確認。 ノビレチンはみかんなどの柑橘類に多く含まれるフラボノイドで、 アルツハイマーの原因物質とされるアミロイドβの蓄積を抑制する作用があることは確認済み。 神経細胞をモデルとした細胞にノビレチンとローヤルゼリーを投与すると、 情報伝達系に欠かせないタンパク質が活性化。 単独の時よりも相乗効果で作用が強まることを明らかにした。 今後、動物実験などを通じ、効果の確認を進めていく方針。    (東北大、日刊工業)

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